熊本難聴協会の動き


■4月14日(木)
 21時26分震度6弱の地震発生後 ケータイを持つ会員20名にに安否確認



■4月16日(土)
 1時25分震度7の地震発生後 ケータイを持つ会員全員に安否確認
 FAXの会員は副会長にお願いする。
 ほぼ全員無事だったが、未確認が4名居た。

  確認が取れなかった会員が一人いて、とりあえず家に行ってみたが留守で近所の避難所を探してみた。
近所の人から「入院している」ことを教えていただいたので、お見舞いに行ってきた。
 




■4月29日(金) 熊本県難聴者中途失聴者協会 活動の様子

   

 熊本難聴協会、要約筆記サークルひまわり、文字通訳グループらん、
 県外の難聴者・要約筆記者の方々が集まり益城町の避難所巡り。

 全国難聴者中途失聴者協会等の支援物資(ホワイトボード、補聴器の電池など)を
 届けたり、高齢難聴者の方々の話を伺うなどの支援を行った。
 
 ※連休中は、ほぼ毎日、グループに別れてあちこちの避難所を訪問

 
補聴器の電池 東京都狛江市から送られた
避難所の聴覚障害者が着るベスト



◎熊本難聴者中途失聴者協会
 →動ける会員を中心に調査を実施。
  要約筆記サークルひまわり、文字通訳グループらん、
  また他県の難聴者・要約筆記者から協力をいただく。



■5月1日(日)
 聞き取り調査本格始動!

出発前の準備   避難所でのするべきことの打ち合わせ
 テレビに字幕をつけるように
お願いしています。
ポスターを貼ってきました。
 東京から支給された補聴器の電池を渡しているところです。


■6月8日(水)
  暑い中、益城町2次避難所巡回
  長崎から2名、福岡市から1名の参加者があり、熊本メンバー7名と要約筆記者3名と
 4グループに分かれて、福祉避難所14カ所を回った。

 まず、グランメッセを訪問。今も車中泊が多い。日中は仕事だったり家あの片付けだったりで、
少ないが、夜になると50台ほどの車が帰ってくるそうだ。
 受付できこえない・きこえにくい方の確認を訪ねたが、把握できないとのこと。
 ポスターと筆談ボードをお願いした。


■平成28年12月~29年3月
日本財団から助成を受けて、全国要約筆記問題研究会熊本支部と共に
「きこえにくくても大丈夫!みんなで話そうカフェ」を実施。

地震の被害がひどかった地域を中心に6か所でカフェを開催。
「きこえ」で困っている高齢者の方たちをカフェに招待しました。
(※のちに1か所を追加して7か所に)

①12月18日(日)情報提供センター(避難所同窓会にて)
②12月25日(日)西原村
③1月26日(木)甲佐町
④2月6日(月)西原村
⑤2月22日(水)甲佐町
⑥3月2日(木)熊本市東区秋津
⑦3月15日(水)甲佐町

(写真は、2月6日 西原村・小森仮設住宅 集会所でのカフェの様子)

日本財団の助成により製作したリーフレット
「きこえ」で困っている方へ
福祉サービスや福祉機器などを紹介
参加者の皆さんにスタッフが
リーフレットを丁寧に説明
参加者の皆さんにお茶やお菓子が振る舞われました 聞こえにくい方のために
要約筆記がついてます
そのほか、参加者の皆さんはクイズや体操などを楽しみました  


 
熊本地震支援 
「きこえにくくても大丈夫!みんなで話そうカフェ」活動報告


熊本県難聴者中途失聴者協会 副会長兼事務局長 後藤香織

 
熊本地震から1年が過ぎました。この春の異動で配属された私の職場は13階にあるのですが、ろうかの壁紙が大きく裂けており、執務室がところどころ雨漏りします。いかに大きな地震であったのかが、改めて思い知らされました。
一年前の地震発生直後、私たちは避難所のきこえにくい方々のために巡回活動を行いました。その中で、きこえないから仕方ないと我慢し、周りの人との交わりを控え孤立する難聴者(特に高齢の難聴者)にたくさん出会いました。
多くの避難所が5月をもって閉鎖され支援も次の段階を迎えました。コミュニケーションに困難を抱える聴覚障がい者にとって仮設住宅に移り、いちからコミュニティを作り上げていくのは簡単なことではありません。そこで全国要約筆記問題研究会熊本県支部の協力のもと、日本財団からの助成を受けて、仮設住宅集会所を利用したカフェを実施することにしました。題して「きこえにくくても大丈夫!みんなで話そうカフェ」。目的はふたつありました。ひとつは、そこにお住いのきこえにくい方が、他の健聴の方々と気兼ねなく交流を楽しむことができるようにすること。もうひとつは、他の健聴者の方々へ、きこえにくい方への配慮の方法を知ってもらうことでした。
当初6回の予定でしたが、うれしいことに7回実施することができました。日程と場所は以下の通りです。平均して毎回12名前後の参加がありました。

第1回12月18日(日) 情報提供センター避難所同窓会
第2回12月25日(日) 西原村小森仮設 
第3回1月26日(木)  甲佐町乙女仮設
第4回2月6日(月)   西原村小森仮設
第5回2月22日(水)  甲佐町乙女仮設
第6回3月2日(木)   東区秋津仮設
第7回3月15日(水)  甲佐町白旗仮設

当初は思うように進まず、焦りがつのりました。8月頃から準備を始めて、市町村の担当者から、日程等は仮設住宅の自治会長さんとの交渉になると聞いてはいたものの、10月になってもまだ自治会が発足せず自治会長さんが決まらないところもあり、また、活動申請が受理され安心したのもつかの間、今度はなかなか自治会から希望の手が挙がらないなど、全要研支部メンバーとやきもきしていました。高齢になってきこえにくくなった方々は、自分たちが聴覚に障がいがあるとの認識がないため、私たちの企画書「聴覚障がい者のコミュニティ作りの支援」という表現ではあまり心に響かなかったようです。一番被害の大きかった益城町からは、リーフレットを使って聞こえにくい方への配慮の仕方や、便利な制度、機器の紹介をすることについて、「講習会のような内容はねえ」と断られてしまいました。聴覚障がい者という少数派の存在が無視されたようで非常に腹立たしく思いましたが、市民の多くが被災しており全体への配慮が必要なのだと考え至りました。途中から企画書の表現を変えて、「カフェを実施します。きこえにくい方もそうでない方も安心して参加できます。」というふうに呼びかけてみると、希望の手が挙がりはじめました。
毎回の協力者募集の呼びかけに、たくさんの難聴協会員と全要研支部会員が応じてくれ、延50名がスタッフとして参加しました。毎回、難聴者4~5名、要約筆記者2~4名、仮設住宅にお住まいの方の参加は12名前後という感じでした。そして、どこの仮設住宅においても、「きこえにくい」という方が必ずおられ、準備した要約筆記や筆談、UDトーク(音声認識文字アプリ)等をご覧になっていました。
7回の支援活動を終えて思うことは、参加してくださった皆さんは比較的元気な方々で、家に閉じこもりがちな方の中に、もっとたくさんのきこえにお困りの方がいるのではないかということです。
日本財団の助成事業は3月で終了しました。多くの参加をいただき、活動目的は達せられたと思いますが、新年度においても被災地支援はなんらかの形で継続していかなければならないと感じています。